本庶佑さんが受賞したノーベル賞の内容とは、一体どんなものなんでしょうか。わかりやすく知りたいですよね。そこで今回は、がんの治療に画期的な革命となった本庶佑さんノーベル賞の研究内容をわかりやすく、また実際に実験で大きな成果を挙げていることをご説明したいと思います。
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本庶佑ノーベル賞の内容は?わかりやすく分子免疫学など説明!
日本人として26人目となるノーベル賞を受賞した本庶佑名誉教授は、免疫を抑制する効果をもつ「PD-1」という分子を発見した事でノーベル生理学・医学賞を受賞しました。 実際の研究内容とはどのようなものだったのでしょうか?わかりやすく見ていきましょう。
医科学とは?
主にヒトの生理学的現象となる、細菌の代謝系などを化学的に解明することを目的とする。というのがわかりやすくざっくりとした説明ですね。では化学とは?ある現象が、物質の性質・構造・変化など、化学に関連する性質を有するさま、です。言い換えれば物質が、何からどのような構造で出来ているか、どんな性質や特徴を持っているか、さらに反応や相互作用によって別なものにどのように変化するか、を研究することですね。
つまり、物質の特徴や性質を明らかにしたり、お互いに物質同士が影響し合う反応を明らかにする学問な訳です。ですから、医化学とはヒトの生理現象、いわば日常的に老若男女すべての人が行なう行為・体に起きる現象を明らかにする学問ということになります。
分子免疫学とは?
分子免疫学とは、免疫のメカニズムを遺伝子 DNA(→デオキシリボ核酸) のレベルから研究する、生命科学の中での新しい学問領域、になります。免疫とは、体内に毒素や病原菌その他の異物が侵入しても、それに抵抗して打ちかっていく能力、ですので、遺伝子レベルでこれらの免疫を解明していく学問なワケですね。
広義には、化学的に人間の生理現象を解明していく学問、という認識になるのでしょう。
本庶佑ノーベル賞に繋がったがんの新治療薬「オプジーボ」とは?
本庶佑さんが発見したPD-1は、免疫を抑える分子です。体内で癌と闘う免疫の働きが抑えられてしまうと、癌の治癒に当然影響が現れます。PD-1の働きを抑制することができれば、癌の治療に大きな効果がありますよね。 現在、PD-1を標的にした抗がん剤「オプジーボ」がすでに小野薬品工業によって開発されていて、これからの癌治療薬として注目を集めています。
多くの抗がん剤は癌細胞を攻撃することを目的としています。一方がん細胞を攻撃する「免疫」を助けるというオプジーボは、全く新しい薬なのです。
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本庶佑ノーベル賞ですでに始まっているオプジーボの治療!驚くべき実験結果とは?
本庶佑さんがノーベル賞を受賞した功績による治療内容を、わかりやすく見ていきましょう。千葉県に在住の男性は、オプジーボによる癌治療に成功しています。6年前にこの男性は健康診断で肺がんが見つかり手術。ですが、癌は脊髄や脳に転移しており、死を覚悟する状況だったそう。
他の治療法を試みるうちに「オプジーボ」に出会います。2016年12月からオブジーボの投薬を開始し、2017年の7月にはがんが確認できないまでに回復しました。男性は「オプジーボの投与から2カ月ほどすると、ずっと悩まされていた頭痛が消えた」と語っています。 「肺がん患者の会ワンステップ」の代表は本庶さんの発見したPD-1、そしてそこからの開発で出来上がったオプジーボを「希望の薬」と表現しています。
オプジーボは現在まだ高価な薬となっていますが、研究が進むことによって、もっと安価に使用できるようになるかもしれませんね。そして、驚くべき実験結果の内容をわかりやすく説明しますと、「ニボルマブ」(商品名:オプジーボ)に関する実験を行うと、臨床試験開始後、ニボルマブを投与された患者で70%、抗がん剤では40%以下が1年後まで生きていたという結果です。
ニボルマブ投与によると1年4カ月後でも生存率はほぼ横ばいの70%。対する抗がん剤を投与された患者の生存率は20%を切ってしまうそう。このようにわかりやすくなっている実験や成果の内容は、もっと取り上げられて一般にも認知されてほしいですね。
本庶佑ノーベル賞に各方面からも声が?
本庶佑さんのノーベル賞受賞で、各方面から様々な声が上がっています。新しいがん治療薬オプジーボの開発へとつなげた本庶佑さんの「PD-1」発見。そこに対する声の内容をわかりやすくお伝えします。
Twitterで癌を自ら公表した高須クリニックの代表・高須克弥院長は、「今は別の分子標的薬を使用しているのですが、次のステージではオプシーボを選択する可能性がります」とツイート。そして「自分は樹木希林さんみたいに放射線治療は受けないけど、タイプによって癌は治療法を選択すべき」とも語っています。 癌治療に新たな選択肢が増えたということですね。
本庶佑ノーベル賞は何が評価された?
本庶佑さんのノーベル賞の内容について、何が評価されたかという事ですが、1992年に未知の遺伝子を見つけ、抗がん剤「オプジーボ」の開発につなげた、という点なんですね。そして本庶さんの研究を基にして作られた免疫薬「ニボルマブ」は、従来の抗がん剤との比較実験で圧勝しています。
今回、本庶佑さんのノーベル賞で注目すべき点は、人が本来持っている免疫系が病原菌をやっつけるように、なにがしかの手段で免疫力をパワーアップして、がんを攻撃できるようにといった点に着目したところにあります。さらに、本庶さんの研究チームが発見したPD-1というものが、今回キーワードになっているらしいです。
PD-1は免疫細胞の表面にあり「攻撃ストップ」を命じるブレーキのような働きを持っている分子のこと。免疫は、時に暴走して自分の臓器や神経を攻撃するもありますが、そうならないようブレーキとして機能するということ。がん細胞は免疫細胞から攻撃されると、このブレーキを踏む分子(PD-L1)を出したり、他の解明されていない仕組みで免疫細胞の攻撃をストップさせることがわかったそうです。
なので、もし免疫細胞にブレーキがかからないようにすれば、がん細胞への攻撃はもっと続くのではないか?という仮説から、がん細胞が免疫のブレーキを踏めなくするためのブロックする免疫薬「ニボルマブ」を発明したという事なのです。
本庶佑さんの若い頃についての記事はこちら→本庶佑名誉教授の出身高校や家族息子は?『本庶佑』氏の読み方分かった!
本庶佑プロフィール
(出典:https://webronza.asahi.com)
本庶佑さんの名前の読み方は、「ほんじょ たすく」です。苗字の読み方ばかりかく、名前の読み方も難しいですね。本庶佑さんは京都で1942年1月27日に生まれました。父の仕事が医師だったため山口県宇部市に育ち、医師の道へと進みます。小学校から高校までを宇部市で過ごしました。
小学校時代の本庶佑さんは、家に帰ってすぐ遊べるように、教科書は授業中に自分で読み、宿題もその場で済ませてしまい、先生の話など聞いていなかったそうです。なにせ好奇心のかたまりで、ラジオや時計の分解、組み立て、読書等自分の面白いと思ったことは次々とやっていく生徒だったそうです。その頃の夢は天文学者でした。
中学では模試をきっかけとして勉強にのめり込むようになり、将来英語は必要だからという父親の勧めで、日系人に高校まで英語を習い、おかげで英語には困らなくなったようです。そして1960年に京大医学部に入学します。1966年に京都大学医学部医学科を卒業後、同大学の附属病院でインターンとして従事。
1967年、同大学の大学院で医学研究科生理系専攻に進学し、医師国家試験に大学院在籍中に合格して、71年に医学研究科を修了、75年に医学博士号を取得しました。
本庶佑ノーベル賞の内容は?わかりやすく説明についてまとめ
がんの治療に大いなる希望をもたらした本庶佑さんの研究成果は、ノーベル賞受賞によって日の目を見ることとなりました。今後コストダウンなどの研究がなされていくと思いますが、がんで苦しむ方たちの救世主として歓迎されていくことでしょうね(^^)
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